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製塩方法

原材料の次にその製塩方法によって味や成分は大きく異なります。原材料と製法及び特徴を一覧に致しました。

分類 種別 原料 にがり添加 製法 特徴
海塩 食塩 イオン交換膜塩 海水 無添加 イオン交換膜で濃食塩水を作り 真空蒸発法で結晶化。 天候や季節の影響がなく低コストで生産できるがミネラル分は殆んど含まれない。
再生 イオン交換膜塩の
加工塩
イオン
交換塩
添加 イオン交換塩にニガリ等の添加物を加えて加工。 自然海塩と比べて価格が格段に安いが、ミネラル分は添加物に拠るもの。
加工塩 自然海塩の加工塩 輸入原塩
(天日塩)
添加 輸入した天日塩にニガリ等を加えた加工塩。  
海塩 非加熱塩 海水 無添加 ネット式、塩田式等で濃縮し天日で結晶化。遠心か堆積させてニガリを減らす。 ミネラルは豊富だが、非加熱の為、海水中の細菌、好塩菌・耐塩菌(注記参照)に注意が必要。
加熱塩 海水 無添加 揚げ浜式、ネット式で濃縮し釜で結晶化。遠心か堆積させてニガリを減らす。 雨の多い日本ではせんごう方式が一番多いが高温で加熱する為、微量ミネラルが損なわれる上に硫酸カルシウム(石膏の主成分)も一緒に結晶化されてしまう。
噴霧乾燥法 海水 無添加 揚げ浜式、ネット式で濃縮後噴霧し空中で結晶化。 また海水は無色透明の為、本来は真っ白な塩が出来ます。赤茶けた塩は釜の鉄分やサビが混入している恐れがある。
非直火式 低温製法
奥能登海水塩
海水 無添加 濃縮から結晶まで保温水槽の温水で製塩水槽内の海水を低温で加熱。4昼夜かけて塩を結晶化。 時間をかけて製塩する為に硫酸カルシウムが除去出来る。この製造方法から得られるミネラル分は、90種類以上の無機物(微量元素)が含まれている。
岩塩 岩塩 採掘天然岩塩 岩塩層 無添加 岩塩鉱脈を掘るか露天掘りして 採掘し粉砕精製。 純度は精製塩相当。着色しているものは、鉱物の含有があり、時には重金属などが混入している場合があり注意が必要。
溶解天然岩塩
(非加熱塩)
岩塩層 無添加 岩塩鉱脈に水を入れ溶解し、汲み上げ真空蒸発缶で再結晶。 見掛けも内容も精製塩と同等であり、原料が違うだけと考えてよい。
溶解天然岩塩
(加熱塩)
岩塩層 添加 溶解天然岩塩にミネラル添加。  
湖塩 湖塩 採掘天然湖塩 湖塩層 無添加 干上がった湖の塩の結晶を採取。 岩塩同様、長い時間の間に微量ミネラルが失われている。

注記:好塩菌について

加熱しない長期塩蔵食品(梅干や魚の干物など)を作る場合や生の状態で作り置きする(マリネなど)場合には加熱した塩が適しています。非加熱塩には好塩菌(*注)や耐塩菌(腸炎ビブリオなど)が混入している事があり、保存性が低下したり、腸炎ビブリオでは食中毒の危険(加熱する場合は心配ありません)があります。

*注

高度好塩性古細菌という細菌で、高濃度の塩水に適応し、赤い色素を作ります。岩塩は塩の化石と言われますが、その岩塩のピンク色に染まった部分からの分離培養にも成功しているほど、塩の中でも長期間生存できる細菌です。

その一方でこの菌は真水にさらしたり、加熱することで容易に死滅します。日本の伝統的な平釜による加熱製塩法はその意味で合理的だと言えます。